<大判漫画> 生きるススメ 作者:戸田誠二

雑誌媒体ではなくインターネットで公開されていたからでしょうか基本的に2p〜5pの短めの作品がほとんどです。
内容は
少女が部屋に引きこもって135日目に見た夢
大切に育てられ何でも両親の良いなりに生きてきた箱入り娘が見合いで出会い、引かれた男性に遺伝子検査の結果35才までに75.4%の確率で死ぬことを告白される、果たして彼女の決断は?
などなど
あまりストーリーに触れすぎると落ちが分かってしまうので詳しくは紹介できませんがくすっとさせられるユーモアあふれる作品から、エイズなどを扱った重いテーマの作品まで、幅広い作風にはまさに脱帽です。
日常とは人間の心理とはここまで奥深いものだったのかとハッとさせられました。
物語は主人公視点が多くほとんどの作品が一人称で書かれてます。特に個性的な文体ではないのですがよく練られていて、冒頭の主人公の語りの部分で瞬く間に感情移入してしまいます。
少ない文字とコマで状況、人物像を描き出すための構図、コマ割、台詞選びは何気ないようでいてものすごいことだと思います。
編集者の付かないであろう個人ホームページでの公開にも関わらず、独りよがりではなく他者に伝える力をもった作品たちは素晴らしいとしか言いようがありません。
自分的には彼の存在は今年一番の発見でした。

生きるススメ

生きるススメ