空の境界観ました。

昨日友人と我が家で「空の境界」鑑賞会を開いた。一章から三章まで一気に視聴。
どの章も良い出来だというのが僕の感想。ただ、中2病全開な台詞回しや設定は人によっては受け付けないかもしれない。しかし、それは原作そのもの方向性なのでこれ以外やりようは無いと思うし、逆に中2病分が薄まっていたら肩すかしになってしまうだけだろう。


一番印象に残ったのは背景とそれを際立たせる音楽。音楽も背景も綺麗なのだがどこかグロテスクで一言で言ってしまえば「とにかく胸くそが悪い」まさに「伝奇」といった世界観を構築している。
不安定で非現実的で退廃的。見ているものの心理を不安に陥れるような色づかいは絶妙。奈須きのこの描く世界に一気に引き込まれる快感がたまらない。


ストーリーは原作に忠実だがやはり尺の関係でいくつか省かれている。だが、大事な所はしっかりと抑えているので物足りなさは感じなかった。また、原作を未読の人でも付いていける範囲で収めていたと思う。
登場人物も少ないし、長い台詞が多いので途中ストレスを感じることを予見していたが杞憂に終わった。声優の演技力とカメラの視点の切り替えやイメージ的な映像の差し込みが巧く説明的な長い台詞でも退屈を感じることはなかった。


主人公二人の関係性については僕のイメージと多少違ったものだった。僕は二人の学生時代のやりとりを感情移入せずに淡々と事実だけを確認するように消化していた。しかし、映画では叙情的に、恋愛ドラマのような描き方をしていたので最初は戸惑ったが逆に自分の方が恋愛よりも戦いと観念的な話に重きを置きすぎていたのかもしれないと悟る形になった。


肯定的な言葉ばかりになってしまったけど、やっぱり奈須きのこ原作な時点で癖は相当ありますし「生きているのならわたしは神様だって殺してみせる」という台詞には引いてしまう人もいそうなので誰にでもおすすめというわけにはやっぱりいかない。奈須きのこ好きの方は是非みるべきだとは思う。
あと、良くできたMADがニコニコにあるので紹介↓
D