本当は小さな村社会 ライトノベル業界

先日本屋にてSTUDIO VOICE3月号を買いました。自分が惹かれたのは「今もっとも面白い小説150冊」という特集です。
それでもって全く中身を見ないで買ったわけですが、読んでみて驚きましたなんと150冊の内の10冊に一冊位の間隔でライトノベルが入っているのですよ。
そして、紹介文では、イリヤの空、UFOの夏を新たな古典と言ってみたり、川上弘美が好きだったら清水マリコを読むべきだとか、はっきりいってぽか〜んとするしかありません。
なんて言うかジャンクフードの大手チェーン店の料理について気むずかしく話してるような馬鹿さ加減を感じました。
ライトノベルファンの自分で言うのもなんですが所詮はライトノベルですよ?そりゃあ評価されるべき素晴らしい作品もたまにはあるけどそんなの1年に2,3冊でればいい方だと思います。
もう、あえて乱暴に言わせてもらいますがガンガン消費されて忘れられていくのがライトノベルです。ライトノベルファンが代わりばえのしない内容の新作を一ヶ月に10冊以上買って、こっそりと消費していくのが真実の姿だと思うのですが・・・・・・。

ライトノベルのほとんどの作品のもつテーマ、メッセージは現実世界に還元されない。それが自分の考えです。
ライトノベルは基本的に現実を写実したものではなく、世界の構築も、社会も、人間の思考も全て現実とは違います。それは現実の世界を舞台にしていても同じことです。
主人公がどんな答えを出したとしても、それはその世界だから通用するだけだし、その世界でのお話です。故に現実世界に生きる人間にとってはほとんど価値はありません。

ゲド戦記や果てしない物語はファンタジーで舞台も異世界ですが、その世界構築には現実世界の社会や理が反映され、登場人物達も現実的なリアリティーを持ってます。
結果そこで扱われるテーマもアプローチこそファンタジー独特のもので異なるものの、しっかりと読者の心に残り大切な何かを伝える力を持っているのです。

そんな中ライトノベルが求められてるのはエンターテイメント性と現実逃避のふたつだと思います。現実から脱却したいからこそ現実とは違うライトノベルの世界に惹かれるのです。
虚構の世界で虚構の答えを見つける。そんな一時の現実逃避。または現実にはあり得ないむちゃくちゃな設定の物語の愉快さ。そういったものが最大の魅力なのです。
そんな純粋なエンターテイメントだからこそ逆に消費され廃れていくわけです。
それを悪いことだとは思いません。そんな気軽に手にできるところが最大の魅力だと思うからです。

結果自分の持論は一部の作品を覗いてライトノベルは確実にジャンクフードだし、アニメ的な虚構世界を受け入れられる人も一部。そのようなものは別に好きな人必要な人が読めばいいだけだと思いますし、オタクではない一般人向けの雑誌にのっける必要はないと思うのです。